パン窯から焼きたてのパンが出てくる瞬間って、どきどきわくわくしちゃいますよね。
特に、窯がお客様から見える場所であれば
そのパンを出している人は、みんなからの注目の的になっているものです。
まるでステージに上るエンターテイナーのように
パンの焼きたてが出てきてそれをすかさず出す作業が、なんともかっこよく見えてしまうんです。
そんなかっこいい仕事を具体的に説明したいと思います。
窯(オーブン)仕事
パン屋に入るとだいたいオーブンのことを窯と言ってますね。
ですので、ここでも窯と呼びますね。
窯の電源がついているか確認
前日に予め、タイマーで窯の電源が入るようにセットしておく。
これはかなり重要となります。
窯の電源を入れてもすぐに温まりませんよね。
家庭のオーブンは小型なので、それほど温まるまで時間はかかりませんが、
業務用の場合は、設定温度や外気温度によって違いがありますが、庫内が大きい分10~30分ほどかかります。
なんで重要なのかといいますと、
管理人ヒロが使っていた窯は…
デッキオーブンの2段窯で下にホイロがついてる電気タイプ
真冬の場合にタイマーセットがされてなく、出勤してみたらなんと電源がついてない。
慌てて手動でつけたけど、お店も冷え切っていて
なかなか窯の温度が上がらない。
そうなると、最初に入れなくてはいけない生地が入れられず、どんどん順番待ちのパンが増えて混雑渋滞に。
最悪は、最後尾のパンが待ち疲れて窯に入っても、伸び上がらない。
この状態だと、発酵しすぎたパンとして焼きあがってしまうため、
荒っぽくスカスカした感じに…
味もぬけ、全く美味しいとはいえない仕上がりとなり、当然お店に出せません。
このように電源が入ってないだけで、ロスパンができてしまう危険があります。
なので、窯の電源はかなり重要。
窯入れのタイミング
さて、電源が入っていたら、
パンの発酵順に窯に入れていきます。
これはお店によってパンの入れる順番が違うので覚えましょう。
窯に入れる際ですが、ちょうどいい発酵状態を見極める必要があります。
この見極めができるようになれば、パン職人への一歩となるでしょう。
これはやっていくしかありません。
この状態がベストっていうのがわかるようになると、楽しくなってきますよ!
窯の設定
パンには、ハード系、フランスパン、菓子パン系、食パン、デニッシュ系などその種類によって温度が違います。
さらに、上火、下火といったように上と下の温度も違ったりします。
また、パンの種類や大きさによって焼き時間が違います。
例えば、食パンなどの大きいパンは20~30分ほどかかりますが、
あんぱんやジャムパンなどの小型パンは10分前後で焼きあがります。
フランスパンは、外側をパリッとさせるために蒸気をかけますが、この蒸気を閉じ込め、逃がす操作をするんです。
その装置をダンパーといいます。
普段は閉めた状態ですが、
例えば、フランスパンを焼く場合、蒸気をかけてます。この時、ダンパは閉まった状態です。
焼き上がりの最後に蒸気逃してパリッとさせるためにダンパを開けるといった、操作をします。
このように、ひとつひとつ覚え頭に入れておきます。
はじめは、時間、温度を覚えるのが大変ですが、覚えてしまえば勝手に体が動いてしまうもんですよ。
パリパリっという焼きあがったパンの音を一番近くで聞けて触れる仕事なんて、いいと思いませんか?
窯に入れる前のドレスアップ
パン生地を窯に入れる前には、種類によっていろいろな作業をしてから窯に入れてあげます。
例えば、
菓子パン系には、焼き上がりの艶を出すため、刷毛で溶いた卵を全体に塗ります。
これを塗卵と言っています。
他には、フランスパンですと、ナイフでカットします。これをクープと言います。
また、チョコペンで模様をかいたり、ケシの実をかけたり、シュガーをかけたり、マヨネーズを絞ったり…と
華やかに飾ってあげます。
仕上げ
パンが焼きあがったら素早く出し、最後の仕上げがあるものはしてあげます。
例えばメープルシロップを塗ってつややかにしてあげたり、
パセリや香辛料をふりかけて、ワンランクアップに見栄え良くします。
こんな感じで、パンを素敵に仕上げる仕事となります。
自分の芸術センスが発見できる場かもしれませんね。