「パン屋さん」というと、男性より女性のイメージのほうが強いかもしれませんね。
というのも、レジには女性のほうが圧倒的に多いからです。
やはり、女性の方が柔らかなイメージと清潔感で、話しかけやすいからなんでしょうね。
販売は女性の方が好まれますが、製造部門になると男性の方が好まれるんですよ。
というのも、粉や生地、重い食材などを運んだりすることが多いため、力と体力が必要となるからです。
それでは、具体的にどのようなことで男性の方が必要なのかをお話していきましょう!
男性が有利な仕事とは?
簡単に、男性のほうが向いてる仕事を3つあげてみます。
1.粉類や食材、生地の運搬作業
まずパン屋で欠かせない粉類。
だいたい25kgの紙袋に入ったものになりますね。
業者の方が指定の位置まで運んでくれる環境なら運ぶ必要はないけれど、
ほぼ入口付近までになるので、そこからは自分で運ばなければなりません。
25kgを身近なもので例えると、お米10kgを2袋と5kgを1袋となります。
女性一人で運ぶのはかなり厳しいです。
食材にしても、1kgのペースト類や油脂類、缶詰などは何個かまとめて運び込んだりするので、意外にもあなどれない重さ。
冷凍生地の場合ですと、30cm四方の段ボール箱で配送されますが、
1箱だいたい5gkの重さの生地が入ってます。
この冷凍生地は、納品日に何十箱と配送されるので、これを大型冷凍庫に入れる作業があります。
これだけの運搬作業でもかなりの力が必要なことがわかりますよね。
2.窯での作業
窯での作業は体全体を動かします。
例えば、天板に並べられたパン生地を入れたり、焼きあがったら出したりする作業。
一見、誰でもできそうな作業かとおもいきや、一日中になるとかなりハードな仕事。
このパン生地をのせてる天板がさらに体の負担へと…
天板には大きさ、素材によって重さの違いがありますが、鉄天板を使っているところは、1枚1.7kg前後になるんです。
それを、両手でそれぞれ1枚ずつ持つとなると3kg以上を常に持つことになるんですよ。
この作業を1日するとなると、かなりの腕が鍛えられるのはもちろんなのですが、体全体を動かすことになるのでここでも体力が必要となります。
また、フランスパンをオーブンで直焼きにするときに使う専用のキャンパス台。
(このオーブンの中に入っている台のことです)
大きさにもよりますが、女性ひとりだとちょっと大変かな?って言う感じの重さですね。
これをひとりで窯に出し入れする作業があります。
オーブンには2段、3段窯などの種類がありますが、上の窯の写真は3段窯。
2段でも3段でも上の段は、身長が低い女性だと見えなかったり、とどかなかったりすることがあります。
そんな時は踏み台を使いますが、これがけっこう踏み外したりすることがあり危ないんです。
(現に私が踏み外し、捻挫してしまいました。)
なので、できればある程度の身長があるといいですね。っていっても身長を伸ばせませんから…
身長がある方が有利ってことですよ~
3.ミキサーからの生地だし作業
生地って、出来上がるとかなりの塊になるんですよ。
仕込み量にもよりますが、5~10キロの生地をミキサーから取り出します。
この取り出し作業ですが、ミキサーボールが下にあるためかがみ込んでの生地だしとなるので思った以上に力が必要です。
このように製造に関しては、力や体力が必要なことが多いため男性の方が好まれるというわけです。
販売に関しては製造に比べてそれほど力仕事ではない
やっぱり、食品を扱っているので見た目重視。
あっ、イケメンってことではなく、清潔感のことですよ。
また、お客様とのやり取りもあるので、ある程度の接客ができなければいけません。
男性で髪がボサボサ、フケがある、髭が汚く伸びてるなどの不潔感が出ていると、
製造、販売ともに採用は厳しいですね。
パン屋でバイトした山田くんの話
パン屋で働いているとやはり辞めていく人も多く、そのたびにスタッフを募集してるんだけどね。
私が働いていたパン屋ではなぜか、女性の方が多かったんです。
女性3~5:男性1の割合ですかね。
募集に来る人も、そんな割合できてました。
パン屋では男性が入ってくると貴重な存在でもあり、清潔さ、やる気があれば即採用。
しかも、お客様も圧倒的に女性でした。
やっぱりパン屋は女性のイメージが強いんですかね。
そんな貴重な男性バイトの山ちゃんの仕事っぷりをお話しますね。
大学生で体型はガッチリというよりかは…ぽっちゃり。
でも、デザイン関係を目指しているようで小奇麗にしていて愛想もよい。
そんな山ちゃんは、販売からスタート。
とても接客がうまく、お客様から好かれるくらい人気のスタッフになっていました。
お客様の話をちゃんと聞いてあげ、要望になるべく答えてあげる姿勢がお客様の心をつかんだんでしょうね。
その点では良いのですが、仕事のミスが多く、作業が他の人の倍はかかっていたため迷惑をかけるのは日常でした。
でも、山ちゃんの一生懸命さをみて、助けてあげたい…という思いがあり、仕事が間に合わないときはヘルプに入り、ミスった時はカバーしあってみんなで協力しあいました。
そんなたよりない山ちゃんですが、みんなのサポートもありだんだん一人でこなせるようになってきた頃、販売からオーブンへと配属されました。
とはいっても、製造は初心者。
パンを焦がすわ、すぐヤケドするわ、パンをオーブンに入れ忘れるわ…などなど、数え切れないほどミスばかり。
それほどまでにミスしていると、いい加減店長も我慢できなくなりついに
「こんなにミスばかりするなら、失敗したパンは自分で支払うか、それが嫌なら辞めるかにしろ…」
とまでに、店長を怒らせてしまいました。
山ちゃんの反応はというと、大泣き。
しばらくして山ちゃんが、
「パン屋をやめたくないので、ミスした分を払います。」
と…。
それからの山ちゃんは心を入れ替えたのか?
前に比べてミスが減り、責任感がでたように見えました。
(さすがにお給料が減ってしまうという緊張感がもてるようになったんじゃないかと…)
その後、バイトから社員へと本格的にパン屋で働くことに決めた山ちゃん。
で、デザイナーの仕事は?というと、
あきらめたわけではなく、今はパン屋でやっていく道を選んだそうです。
自分ではただのバイトでお小遣いを貯めるだけ…という思いで働きだした山ちゃんですが、ちがう自分を発見できたことでやりがいに変わったんでしょう。
まとめ
パン屋で男性は必要とされる!ということがわかったかと思います。
やはりパン屋では、力仕事の部分がけっこうあるので男性のほうが好まれます。
とくに製造では、男性が有利、逆に販売は女性が有利です。
どちらにしても、食べ物を扱っているので清潔感がなければ論外です。
男性の方でパン屋でバイトしようか迷っているならば、まずはやってみましょう。
ちがう自分が発見できるかもしれませんよ!